SSブログ

YAMAHA Diversion(XJ400S)というバイクをご存じですか -その2- [バイク]

400-20200410061629_00001_00001
400-20200410061629_00001_00001 posted by (C)miyappp

2.メカニズム

1).エンジン周り

空冷DOHC2バルブ4気筒400cc。
なんとディバージョン専用で新設計されました
(600ccと同時開発)
 
空冷が選ばれた理由は
空冷でも必要かつ十分な馬力が得られることと
空冷フィンのデザインが出来るから

そしてコストを抑えることが出来るから

そのエンジンは後述するように
これまでになかったであろうとも言える
独自のアイデアを色々と盛り込まれたものでした

◆ライダーの耳から聞こえる音質を考えて設計された空冷フィンとマフラー

これは楽器のヤマハらしい話

空冷エンジンなので騒音・ノイズ面では
水冷に比べて不利なのにも関わらず
このノイズを音響ホログラフィー解析を駆使して
エンジンのフィンの形状を決定したといいます

170-20200409190649_00001
170-20200409190649_00001 posted by (C)miyappp

また、サイレンサーも2系統に分けたまま
マフラー後端をトランペット形状として
音域も人の耳に歯切れが良く心地が良い
16Hz近辺にしたとのこと(※)
※音域の16Hzという数値について指摘がありました
 資料の誤植か誤記の可能性が高いと思われるので
 他の文献による確認を後日したいと考えております
   
◆冷却風を巧に利用する卵型のシリンダーヘッドカバー

ディバージョンのエンジンの特徴を現すパーツの一つ

他のバイクでは見ない卵型の形状をしています

この形状にすることにより
正面から当たる風をカバーにまとわり付かせ
効率よくヘッドカバーを冷却する狙い

20200410061743_00001_00001_01
20200410061743_00001_00001_01 posted by (C)miyappp
160-20200409190632_00002
160-20200409190632_00002 posted by (C)miyappp

またこれを補助する「エアスクイーザー」と呼ばれるダクトの類が
ヘッドカバーの上部に設けられ
吸気側のカバーの冷却を手助けしていました


◆35度に前傾したエンジン

これは当時のヤマハのSS向けの
高性能マルチエンジン共通の
ジェネシス思想(5バルブ+前傾エンジン)
と同様の手法に基づいて
吸気から燃焼室までストレートに
混合気が流入されるようになっておりました

150-20200409190632_00001
150-20200409190632_00001 posted by (C)miyappp
   
そのためキャブはダウンドラフトタイプで
水平に取り付けられています

また、前傾したことで吸気側のフィンにも
直接冷却風が当たることになり
安定した冷却が出来るように考えられていました

◆低速の粘りを生む超ロングストロークエンジン

ボア×ストロークは
他に類を見ないほどのロングストロークで
47.7mm×55.7mm
(ちなみに後継機種のXJR400は55mm×42mmと
 ショートストロークになった)
 
これにより回転数に伴う馬力が稼げないため
最高出力は当時の250ccより低い
たったの42HPしかありませんでしたが
メーカーの目論見どおり
ディーゼルエンジンのような低速の粘りをもった
とても扱いやすいエンジンでした
 
反面、だるいと言われたロングストロークエンジンですが
とはいっても4気筒マルチエンジンなので
マルチエンジンらしくシューンと滑らかに上まで廻り
高速走行時はとても心地良いものでした
480-20200410061810_00001_00001
480-20200410061810_00001_00001 posted by (C)miyappp

次回は車体関係について紹介します
130-20200409190529_00001
130-20200409190529_00001 posted by (C)miyappp

続く
nice!(11)  コメント(6) 
共通テーマ:バイク

nice! 11

コメント 6

ぽちの輔

16Hzだと人の耳には聞こえないんじゃ?
by ぽちの輔 (2020-04-12 05:49) 

Jyo

設計思想とメカニズムを知ると
マイナー車種にも興味が湧いてきますね
by Jyo (2020-04-12 06:50) 

miyappp

> ぽちの輔さん
ご指摘ありがとうございます
なるほどおっしゃるとおりたしかに妙な周波数ですね
誤植か誤記の可能性があると思いますが
今、手元の資料では正解がわからないので
後日 他の文献を探して確認してみます
(記事に注記を追記しました)
by miyappp (2020-04-12 07:06) 

miyappp

> Jyoさん
そうなんです
このように明確な思想を取り入れていたのですけれど
パッと見だけでも日本ではNOだったのかもしれませんね
ヤマハって結構気合入れてチャレンジして
大失敗するケースが目立つような気がします
GTS1000とか
by miyappp (2020-04-12 07:10) 

tai-yama

YAMAHAらしく、トランペット(そのままの)マフラーを装備して
いたら面白かったのかも。
by tai-yama (2020-04-13 23:47) 

miyappp

> tai-yamaさん
それじゃ6連ラッパみたいじゃないですか!(笑)
by miyappp (2020-04-14 22:31) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

YAMAHA Diversion(XJ4..YAMAHA Diversion(XJ4.. ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。