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YAMAHA Diversion(XJ400S)というバイクをご存じですか -その3- [バイク]

2).車体

◆風をコントロールするエアロカウル

まず、安直にフルカウルにしないGKのこだわり!
 
フルカウルのツアラーのように完全に風をさえぎるものでもない

小ぶりなそのハーフカウルの大きさと形状も
独自の思想を取り入れた設計がなされているのです
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20200410061716_00001_00001_01 posted by (C)miyappp


高速走行時はやはり防風・整流の機能が欲しいが
下道などの常用域ではバイクならではの心地よい「風」を感じたい
そんな相反する条件を満たす形状のカウルを生み出しました

ヒントは資料によるとボールを投げたときのことを
例えに引用しています

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180-20200409190649_00002 posted by (C)miyappp

ボールの速度により
低速時にはボール後方に空気を巻き込んで渦を作るが
一定の速度以上になると空気が剥がれて
後方へそのまま流れる(層流状態)現象が起こる
 
このエアロカウルはその現象を応用することにより
前述した条件をクリアしたのです

◆高剛性フレームと絶妙な設定の足回り

このバイクに初めて乗った時の第一印象は

「とてもコントロールがしやすくて乗っているのが楽しい」 

自分が思い描くラインをトレースしやすかった

その理由は絶妙な剛性のフレームと
この車体に最適な径なのであろう38Φという
インナー径のフロントフォークから来るものだろうと思いました

それまで自分が乗っていたバイクに比べ
明らかに車体・足回りの剛性が高かったのです

また、いわゆるツアラーのディメンションではなく
普通にスポーツ走行向きのディメンションでした

このバイクに乗ったことで
車体のヤマハと言われる所以って
こういうことなのかなと思いました

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◆全く疲れを知らない魔法のシート
 
とにかく凄いシートでした

購入時は外観がつるんとしていて
特になんの特徴も無いシートだと
思っていたのですが

ディバージョンを納車されて初めてのツーリングで
試しに谷川岳方面に下道で行ったときに
それはそれは驚きました

全く疲れないのです

世の中にこんなシートがあったのか
今まで乗ってきたバイクのシートは
なんであんなにお尻が痛くなっていたんだ
と思ったものです
 
この時、このバイクは自分を日本全国
どこにでも連れて行ってくれるんだと確信しました

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(雨上がりの北海道のどこか失念)

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350-20200409134427_00002 posted by (C)miyappp
(阿蘇 白水高原)

◆丁度イイポジション
ほどほどの前傾具合といい、ハンドルの位置といい
ステップの位置といい
タンデムを考慮して
長めの設定となっている全長を思わせないほど
自分の体格にとてもフィットしていました

その乗りやすさ故
細かい峠道が多い日本の道路を走るのも
まったく苦に感じることがありませんでした

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140-20200409190551_00001 posted by (C)miyappp

◆低コストが嬉しいシングルディスクブレーキとリアのモノショックサス

元々自分の乗り方でフロントブレーキに
ダブルディスクは不要と考えていました
 
また当時ゼファーのブームにより再燃した
リアのツインショックも
ディバージョンでは採用されていません
 
いずれも重たくなるだけだし
消耗品も単純にシングルの倍掛かるのは
自分からしてみたら無駄な出費だと思っていたので
これはありがたかった
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◆細めのバイアスタイヤを採用

当時、徐々にラジアルタイヤが主流になっていた時代の中
ディバージョンは F:110//80-17 R:130/70-18という
当時の400クラスにしても
一昔前のバイクが採用するような
細めのバイアスタイヤを採用してきました

私は今でもそうなのですが
バンクをすることでコーナーリングをするラジアルタイヤより
バイクを立てたまま十分減速して小さく旋回する乗り方の
バイヤスタイヤの方が何かと好きなのです

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470-20200410061754_00001_00001 posted by (C)miyappp

◆安かった(メーカー小売希望価格 499,000円)
何かの流用パーツの寄せ集めとかではなく
こんなにいろいろと専用設計をしたのに
それが50万円を切っていたのです

いかがでしたでしょうか
余りにも不人気車だったので
ここに書いたことはおそらく
ほとんど知られていない事ばかりではないかと思います

車体後半は私個人の見解になっておりますけれども

ウィキの
「空冷4気筒400ccのツアラー。売れませんでした」
で済むバイクではなかったのです

開発の仕方次第で人は
こんなバイクも作ることが出来るんだということを
知りました

日本の市場に全く受け入れられませんでしたけれども
皮肉なことに400ccと同時開発していた
600cc版(というより400は600のボアダウン版)
が、欧米で販売されると
これが人気車種となり
その後ディバージョン(北米では「SECAⅡ」の名前)は
ロングセラーシリーズとなっていきました

とりあえず欧米の成功で
400の"大"失敗はチャラになったのではないでしょうか

また、私が乗っていた当時から
つくづく残念だと思ったのが
もしこれが3気筒の400ccエンジンだったら
評価が少し変わっていたのではないかと思うのです
 
低速の粘りはイイのですが
いかんせん非力感が強すぎたのでしょう
(私個人的には全くそうは思わなかったのですが)
 
もしこれが3気筒400ccだったら
恐らくもっと低速から盛り上がるような力が出てくる
エンジンになってくれていたのではないかと
今でも考えてしまうのです

こんなバイクは
日本市場では失敗例として語り継がれ
もう二度と出てこないのでしょうね

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ぽちの輔

当時は中型と大型の間に大きな壁がありましたからねぇ。
国内で売るには中型にしないと^^;
by ぽちの輔 (2020-04-13 06:03) 

tai-yama

この快適シートは他の車種にも生かされたのかな・・・
国産メーカー(車も)はどうしてもシートをないがしろにする
感じがしたり。
by tai-yama (2020-04-13 23:51) 

miyappp

> ぽちの輔 さん
結局その壁が大きいまま
車検もありますし
今の国内の400ccクラスはずいぶんと
減ってしまいましたねー
by miyappp (2020-04-14 22:26) 

miyappp

> tai-yamaさん
このシートはヤマハの財産だと思ったのですが
その後はどうなんでしょう
外車のシートって私知らないのですけれど
国産と比べて違うものなのでしょうか
by miyappp (2020-04-14 22:30) 

ミキー

同級生であるディバージョン400を本日買いました。
ディバージョンと言うバイクをネットで調べたらこのブログが出てきたので拝見しました!とても面白かったです!
まだ納車前ですがとても楽しみだったのが更に楽しみになりました!ありがとうございました!
by ミキー (2023-03-20 12:33) 

miyappp

>ミキー様
カメレス大変申し訳ありません
(最近ログインしておりませんでした)
なんと、ディバージョンを購入されたのですか!
おめでとうございます!
まだ走る個体あったのですね
なにせマイナー過ぎるバイクだったので
誰も読まないだろうなと思いつつ書いた記事でしたが
1人でもこの記事を見ていただいたことがわかっただけでも
この記事を書いた甲斐がありました
逆に感謝しております
自分の中ではいまだに最高のバイクなので
同じように感じていただけると嬉しいです
by miyappp (2023-03-28 09:57) 

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